工作機械、サブスク拡大 初期費用抑え生産性向上支援
工作機械各社が加工機のサブスクリプション(定額制)サービスを提供する動きが広がっている。ソディックは月額で放電加工機を利用できるサービスを始めた。契約期間は最短1年から選択できる。エンシュウはみずほリースと組み、月額でマシニングセンター(MC)のサブスクを展開している。初期費用を抑えて生産性の高い工作機械を導入しやすくし、急な需要の変動やモノづくりの変化に柔軟に対応できるようにする。
ソディックがこのほど始めたサブスクサービス「サブスク TRY(トライ)」は、航空機部品や金型加工向けのワイヤ放電加工機2機種が対象。契約期間は1、3、4、5年から選択できる。月額利用料には消耗品の交換を含めた年1回のメンテナンスや、事故に備えた動産総合保険の費用も含めた。
同社ワイヤ放電加工機のエントリーモデル「VN400Q」の場合、月額19万円から利用できる。契約終了時に延長か返却を選択する。工作機械のリース契約は一般的に7年以上とされるが、契約期間を複数設定することで利便性を高めた。
同社幹部は「新機種を短期間で使い続けたい、または仕事の先行きが不透明で投資判断が難しいといったお客さまのニーズに応えたい」としている。今後は2機種以外にもサブスクでの品ぞろえの拡充を予定する。
エンシュウが2022年に始めたMCのサブスクでは、加工プログラムの説明や実習を通じて導入を支援する教育サービスなども無料で提供する。
また岡本工作機械製作所も20年に研削盤で月額のサブスクを始めている。契約には油圧油の交換やといし軸(スピンドル)の振れの調整といったメーカーが保証する無償点検サービスなどを含めた。
製造業ではデジタル変革(DX)で開発期間が短縮するほか、脱炭素に向け電気自動車(EV)シフトが進むなど大きな変化が起きている。一方、急な市場の変化への対応が常に求められ、工作機械の性能の進化もデジタル技術の進展で加速している。各社はサブスクの投入で工作機械導入の選択肢を増やし、モノづくりの潮目の変化に対応しやすくすることで、受注機会の拡大につなげる。
ただ業界関係者からは「サブスクの認知度がまだ高くなく訴求できるかがポイント」との指摘もある。対象機種や関連サービスの拡充でサブスクが浸透するのか注目される。
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- 2024年5月16日
サンドビックは、チップ交換式直角肩削りカッター「コロミルMS60」を発売しました。
肩削りフライスからランピングによる穴開けのポケット加工まで対応可能。高剛性のチップシートの採用で、鋳肌、鍛造肌でも高い加工の信頼性を実現しました。
内部クーラントホール付きで、特にタグタイル鋳鉄などの切りくず排出に効果があります。鋼、鋳鉄での荒加工から仕上げ加工で特に有効で、ステンレス、耐熱合金の加工にも対応します。ハウジング、ポンプ、バルブなどの部品加工に適します。
カッター径は50ミリ―100ミリメートルの8種類、チップは汎用型と刃先強化型の2種類、各被削材用材種は9種類を用意。 -
- 2024年5月14日
京セラは、独自の特殊形状により、高精度で安定した小径穴あけ加工が可能なソリッドドリル「KDA Mini」を発売開始しました。
クーラントホール付きのものは加工時に穴曲がりを防ぐマージンと呼ばれる形状をドリル先端に3組、中間部に2組設け、直進安定性と切りくず排出性を両立しました。
鉄や鋳鉄、半導体製造装置部品の素材として使われるステンレス加工にも対応出来ます。 -
- 2024年5月9日
タンガロイは、小型部品旋削加工用チップの「JP形」と「JS形」に、サーメット材種「NS9530」と同「AT9530」の2種類を追加して発売しました。
仕上げ加工などでの加工面品位や切りくず処理性を向上できます。
NS9530とAT9530は耐摩耗性と耐欠損性を両立。AT9530ではTiAlNコーティングを施して耐摩耗性を向上し、高い切削速度での使用を可能にしました。また表面の凹凸を大幅に低減する特殊表面技術により、刃先への凝着が抑制され仕上げ面品位の向上にも貢献します。
JP形は精密仕上げ加工で優れた切りくず処理性能を発揮。JS形は大きなインクリネーションと最適なブレーカー突起で幅広い切削領域で高い切りくず処理性能を実現します。 -
- 2024年4月25日
日進工具は小径エンドミル「無限コーティングプレミアム高能率レンズ形3枚刃エンドミルMLFH330」を発売した。
3枚刃の採用などにより従来のボールエンドミルと比べ加工能率を向上できる。外径×底刃半径(R)が1ミリ×R1ミリ―6ミリ×R8ミリメートルで7サイズを展開する。
独自のコーティング技術「無限コーティングプレミアム」により、被削材は高硬度鋼「65HRC」まで対応するほか、長寿命化も実現した。従来のボールエンドミルと比べ、大きな底刃半径を持たせた形状により、切り込み量「ピックフィード」を大きく取れる。同社によると既存のボールエンドミルと比べて加工時間を40%削減できるなど、高能率加工による生産性向上にも貢献する。 -
- 2024年4月18日
MOLDINOは高硬度鋼加工用高送りラジアスエンドミル「エポックハイハードラジアス」シリーズに、刃径が1ミリメートル未満の荒加工用小径エンドミル「EHHRE―TH3 mini」を追加しました。
独自の高剛性設計を採用し、冷間鍛造金型や小型精密金型などの高硬度鋼を高能率加工が可能。燃料電池セパレーター向け金型など、小型精密金型での活用を見込まれます。
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